はじめに
「うちの子は自信がなさそうで心配」「失敗を極端に怖がって、新しいことに挑戦しようとしない」「最近『どうせできない』『自分なんて』という言葉が増えてきた」「何かにつけて『でも』『だって』と言い訳をする」「お友だちと比べて落ち込むことが多い」――。お子さまを育てる中で、こうした悩みを抱える保護者の方は少なくありません。
特に発達に特性のあるお子さまの場合、学校や日常生活の中で「うまくいかない」経験が積み重なりやすく、知らず知らずのうちに自信を失ってしまうことがあります。周囲の子と比べられたり、できないことを指摘されたりする場面が多いと、お子さま自身が「自分はダメなんだ」と感じてしまうこともあるのです。
さらに冬という季節は、寒さや日照時間の短さ、年末年始の行事や生活リズムの変化などが重なり、お子さまの気持ちが内向きになりやすい時期でもあります。体調を崩しやすかったり、外で遊べる機会が減ったりすることで、活動量が低下し、気分も沈みがちになります。大人でも冬は憂鬱な気分になりやすいものですが、子どもも同じです。
そんな時期だからこそ、特に大切にしたいのが「自己肯定感」です。自己肯定感とは、「自分は大切な存在だ」「自分には価値がある」「自分は愛されている」と感じられる気持ちのことです。これは単なる自信とは異なり、できることが多い少ないに関わらず、「そのままの自分で大丈夫」と思える感覚のことを指します。
自己肯定感は、学習面や社会性だけでなく、将来にわたってお子さまが自分らしく、幸せに生きていくための土台となる力です。自己肯定感が育っているお子さまは、失敗を恐れずに挑戦できる、困難があっても諦めずに取り組める、他者と良い関係を築ける、といった力を持つことができます。
株式会社アイオライトが広島市内4エリアで展開する放課後等デイサービス「まごころの家」では、「全ての人々の未来を創造し、社会で輝ける環境、社会を造り上げる」という理念のもと、冬の時期にも自己肯定感を何より大切にした支援を行っています。お子さま一人ひとりの個性を認め、小さな成長を丁寧に褒めることで、「自分はここにいていいんだ」「自分には良いところがある」と感じられる環境づくりを心がけています。
本記事では、自己肯定感支援の重要性、冬の季節だからこそできる具体的な取り組み事例、実際に見られる変化、家庭との連携のポイント、そして支援を行うスタッフ自身の成長についてご紹介します。お子さまの自己肯定感を育てたいと考えている保護者の方、療育に興味のある方、そして福祉の仕事を目指している方に、少しでも参考になれば幸いです。
目次
なぜ自己肯定感の支援が重要なのか

自己肯定感は、生まれつき強い・弱いが決まっているものではありません。日々の経験や周囲との関わりの中で、少しずつ育まれていくものです。だからこそ、適切な支援と温かい関わりがあれば、どのお子さまも自己肯定感を育てることができるのです。
しかし、発達に特性のあるお子さまたちは、残念ながら自己肯定感を育てにくい環境に置かれることが少なくありません。それは以下のような理由からです。
まず、うまくいかない経験が多くなりがちです。学校での学習、お友だちとの関わり、日常生活の中で、定型発達のお子さまと比べると困難を感じる場面が多くあります。「みんなはできるのに、自分だけできない」という経験が積み重なると、自然と自信を失ってしまいます。
また、注意や指摘を受ける場面が増えやすいという現実もあります。じっと座っていられない、忘れ物が多い、空気を読むのが苦手、といった特性は、周囲から「ちゃんとして」「なぜできないの」と注意される原因になります。注意されることが多いと、お子さまは「自分はダメな子なんだ」と感じてしまいます。
さらに、周囲と比べてしまいやすい環境もあります。学校という集団の中では、どうしても他の子と比較されることが多くなります。テストの点数、運動会での順位、できることの数など、常に比較の対象になることで、お子さまは劣等感を抱きやすくなります。
こうした環境に置かれることで、お子さまは知らず知らずのうちに「自分はダメだ」「自分には価値がない」と感じてしまうのです。これは決してお子さまの責任ではなく、周囲の環境や関わり方が影響しているのです。
だからこそ、療育や支援の現場では、自己肯定感を育てることを最優先にした関わりが欠かせません。具体的には、次のような関わりを大切にしています。
できないことより、できたことに目を向けることです。「ここができていない」ではなく、「ここができたね」と、できたことを見つけて認めることを優先します。10のうち8ができなくても、2できたことがあれば、その2を心から褒めます。
結果だけでなく、過程を認めることも重要です。テストで良い点が取れなくても、「最後まで諦めずに頑張ったね」と努力を認めます。作品が上手にできなくても、「一生懸命作ったね」とプロセスを評価します。結果だけで判断されないことで、お子さまは安心して挑戦できるようになります。
そして、一人ひとりの良さを大切にすることです。他の子と比べるのではなく、「あなたはあなたのままで素晴らしい」というメッセージを伝え続けます。得意なことも苦手なことも含めて、その子の個性として受け入れることが大切です。
自己肯定感が育つことで、お子さまは新しいことに挑戦する勇気を持つことができます。失敗しても「また頑張ればいい」と前向きに考えられるようになります。また、人と関わる力や、困難を乗り越える力、自分の気持ちを適切に表現する力なども、少しずつ身につけていくことができます。
自己肯定感は、すべての成長の土台です。だからこそ、まごころの家では、何よりも自己肯定感を育てることを大切にしているのです。
冬だからこそ大切にしたい支援の視点と関わり方
冬は気温が低く、日が短く、外での活動が制限されやすい季節です。活動量が減りやすく、気持ちも沈みがちになります。しかし、その一方で、室内でじっくりとお子さまと関われる時間が増えるという側面もあります。
株式会社アイオライトでは、この時期を「自己肯定感を丁寧に育てるチャンス」と捉え、関わり方や活動内容を工夫しています。冬だからこそ大切にしている支援の視点をご紹介します。
まず、無理に頑張らせないことです。寒い冬は、大人でも体調を崩しやすく、やる気が出にくい季節です。お子さまも同じです。「今日は調子が出ない」「疲れている」というときには、無理をさせず、その日のペースを尊重します。「頑張らなくてもいいよ」「今日はゆっくりしようね」と声をかけることで、お子さまは安心します。
次に、安心できる居場所づくりを優先することです。冬の寒い日に温かい部屋があるように、心も温かく安心できる場所が必要です。まごころの家が「ここに来れば安心」「ここでは自分らしくいられる」と感じられる居場所であることを、何よりも大切にしています。
そして、小さな成功体験を積み重ねることです。大きな目標を掲げるのではなく、「今日はこれができた」という小さな達成感を毎日味わえるよう、活動を設定します。小さな「できた」の積み重ねが、やがて大きな自信につながっていきます。
また、比較をしないことも大切にしています。他のお子さまと比べるのではなく、「昨日のあなた」と「今日のあなた」を比べます。「先週よりも長く座れるようになったね」「前はできなかったけど、今日はできたね」と、その子自身の成長を認めることで、お子さまは自分のペースで成長できます。
こうした姿勢が、冬の支援の土台となっています。寒くて縮こまりがちな季節だからこそ、心は温かく、優しく、丁寧に関わることを心がけているのです。
冬の具体的な活動事例と自己肯定感への効果
まごころの家では、冬の時期に特に効果的な、自己肯定感を育てる活動を数多く取り入れています。ここでは、具体的な活動事例とその効果をご紹介します。
達成感を実感できる冬の制作活動
冬の制作活動では、完成度の高さや上手さよりも、「自分でやり切った」「最後まで頑張れた」という経験を何より大切にしています。
工程を細かく分けて取り組めるようにすることで、お子さまは一つひとつのステップを確実にクリアしていく達成感を味わえます。たとえば、雪だるまの制作であれば、「まず丸を切る」「次に顔を描く」「最後に飾りをつける」と段階を分けることで、「ここまでできた」という小さな成功体験を何度も味わうことができます。
選択肢を用意し、自分で決める場面をつくることも大切です。「この色とこの色、どっちがいい?」「帽子をつける?つけない?」と、お子さま自身に選んでもらうことで、「自分で決めた」という主体性が育ちます。自分で選んだものだからこそ、愛着が湧き、最後まで頑張れるのです。
完成した作品は、スタッフがしっかり言葉で認めます。「上手にできたね」だけでなく、「ここの色の選び方が素敵だね」「丁寧に作ったから、きれいに仕上がったね」と、具体的にどこが良かったのかを伝えます。具体的に褒められることで、お子さまは「自分の頑張りが認められた」と実感できます。
「最後までできた」「自分で選んだ」「褒められた」という経験は、お子さまにとって大きな自信につながります。事業所に飾ったり、作品を家に持ち帰り、家族に見せて褒められることで、自信はさらに強固なものになります。
室内あそびの中での成功体験づくり
冬は室内での活動が中心になりますが、そこにも自己肯定感を育てる工夫がたくさんあります。
得意な役割を任せることで、お子さまは「頼りにされている」「自分は必要とされている」と感じることができます。たとえば、力が強い子には重いものを運んでもらう、几帳面な子には整理整頓を任せる、優しい子には年下の子のお世話を頼むなど、一人ひとりの特性を活かした役割を与えます。
少人数で安心して参加できる場をつくることも重要です。大人数が苦手なお子さまには、2〜3人の小グループで活動する機会を設けます。安心できる人数だからこそ、お子さまは自分を出すことができ、参加する楽しさを感じられます。
結果よりも挑戦したことを評価することも大切にしています。ゲームに負けても「最後まで諦めずに頑張ったね」、うまくできなくても「やってみたことが素晴らしいね」と、挑戦した勇気を認めます。勝ち負けにこだわりすぎず、「参加できた」「最後までいられた」「お友だちと一緒に遊べた」といったポイントを大切にしています。
結果ではなくプロセスを評価されることで、お子さまは「失敗してもいいんだ」「挑戦することが大切なんだ」と学びます。この学びが、新しいことにチャレンジする勇気につながるのです。
日常の何気ない場面での丁寧な声かけ
特別な活動だけでなく、日常の何気ない関わりの中でこそ、自己肯定感は育ちます。まごころの家では、日常の小さな行動を見逃さず、丁寧に言葉にして伝えることを大切にしています。
朝、元気に挨拶ができたことを認めます。「おはようございます、って言えたね。気持ちのいい挨拶だったよ」と、当たり前のようなことでも、きちんと褒めます。挨拶は社会生活の基本ですが、お子さまにとっては勇気のいる行動かもしれません。その勇気を認めることが大切です。
自分の気持ちを言葉で伝えられたことも褒めます。「『嫌だ』って言えたね。ちゃんと気持ちを伝えられて偉いよ」と、自己表現ができたことを評価します。気持ちを言葉にすることは、コミュニケーションの第一歩です。
困っているお友だちに気づけたこと、優しい言葉をかけられたことも見逃しません。「〇〇くんが困っているのに気づいて、声をかけてあげたね。優しいね」と、思いやりの行動を認めます。
片付けができた、順番を待てた、お友だちと一緒に遊べた、給食を残さず食べられた、こうした小さな、当たり前に見える行動一つひとつを、丁寧に言葉にして伝えます。
こうした小さな行動を丁寧に言葉にして伝えることで、お子さまは「自分は認められている」「自分の良いところを見てくれている」と感じることができます。見てくれている人がいる、認めてくれる人がいるという安心感が、自己肯定感の基盤となるのです。
家庭との連携で育つ確かな自己肯定感
自己肯定感は、放課後等デイサービスだけで育つものではありません。お子さまが最も多くの時間を過ごす家庭での関わりが、何よりも重要です。家庭と支援現場が同じ視点を持ち、連携することで、より安定した自己肯定感の成長につながります。
まごころの家では、保護者の方との連携を特に大切にしています。具体的には、以下のような取り組みを行っています。
お子さまの良い変化を積極的に共有することです。連絡帳や送迎時の会話を通して、「今日はこんな良いことがありました」「こんな成長が見られました」と、ポジティブな情報を積極的にお伝えします。保護者の方がお子さまの成長を知ることで、家庭でも褒める機会が増え、お子さまの自信がさらに高まります。
家庭での関わり方のヒントを提案することも行っています。「こういう場面では、こんな声かけが効果的でした」「こういう褒め方をすると、喜んでいました」と、具体的な関わり方をお伝えします。保護者の方が関わり方に迷ったときの参考になればと考えています。
不安や悩みを気軽に相談できる関係づくりも大切にしています。「こんなことで悩んでいる」「家ではこういう様子がある」と、保護者の方が遠慮なく相談できる雰囲気を作ることで、保護者の方の不安が軽減されます。
保護者の方が「この関わり方でいいんだ」「うちの子はちゃんと成長している」と安心できることも、お子さまの自己肯定感を支える大きな要素です。保護者の方が不安でいっぱいだと、その不安はお子さまにも伝わってしまいます。保護者の方が安心し、笑顔でお子さまと接することができれば、お子さまの自己肯定感も自然と育っていくのです。
また、家庭で心がけていただきたい関わり方として、以下のような点もお伝えしています。
できないことを責めるのではなく、できたことを見つけて褒めること。他の子と比べるのではなく、その子自身の成長を認めること。結果だけでなく、努力や挑戦したことを評価すること。お子さまの話を最後まで聞くこと。「あなたは大切な存在だよ」というメッセージを言葉や行動で伝えること。
家庭と施設が同じ方向を向いてお子さまを支えることで、お子さまの自己肯定感は確実に育っていきます。
支援者として自己肯定感支援に関わる成長とやりがい
自己肯定感を育てる支援は、支援者自身にとっても深い学びと成長の機会となります。お子さまと向き合う中で、スタッフ自身も人として成長していくのです。
お子さまと向き合う中で学ぶこと
自己肯定感を支える支援は、決して簡単なものではありません。お子さまの小さな変化に気づく観察力、適切な声かけを選ぶ判断力、関わり方を柔軟に変える対応力、そして時には自分自身の価値観と向き合う勇気も必要です。
たとえば、「頑張ることが大切」と考えていたスタッフが、「頑張らなくてもいい」と伝えることの大切さを学ぶこともあります。「できることが価値」と思っていたスタッフが、「できなくても、そのままで価値がある」と気づくこともあります。
その過程で、スタッフ自身も多くのことを学びます。人の気持ちを深く考える力、一人ひとりの個性を理解する力、伝え方や関わり方の幅を広げる力、そしてチームで支援することの大切さなどを、実践を通して身につけていきます。
お子さまの笑顔が増えたとき、「先生、見て!」と嬉しそうに話しかけてきたとき、「また来たい」と言ってくれたとき、スタッフは大きなやりがいを感じます。自己肯定感が育っているお子さまの変化を目の当たりにすることは、何物にも代えがたい喜びです。
チーム全体で支える支援体制と学び合い
株式会社アイオライトでは、スタッフ同士が支援の悩みや気づきを共有しながら、より良い関わりを目指しています。一人で抱え込むのではなく、チームで考え、学び合う文化があります。
定期的なミーティングでは、お子さまの変化を共有します。「最近、笑顔が増えた」「自分から話しかけてくれるようになった」といったポジティブな変化を共有することで、チーム全体で成長を喜び合います。
支援方法を振り返る時間も大切にしています。「この関わり方は効果的だった」「この場面ではこうすればもっと良かった」と、常に支援の質を見直し、向上させる努力を続けています。
一人で抱え込まない体制も整っています。「この子への関わり方で悩んでいる」「うまくいかない」と感じたときには、いつでもチームに相談できます。先輩スタッフや同僚と一緒に考えることで、新しい視点や方法が見つかります。
こうした環境が、支援の質とスタッフの成長の両方を支えています。お子さまの成長を支えながら、自分自身も成長できる。それが、この仕事の大きな魅力です。
福祉の仕事を目指す方へ、深いやりがいのある支援
自己肯定感を育てる支援は、目に見えにくい分、深いやりがいがあります。テストの点数のように数値で表せるものではありませんが、お子さまの表情、言葉、行動の変化として、確かに感じることができます。
お子さまが少しずつ自信を持ち、表情が明るくなり、新しいことに挑戦する姿が見られるようになる。「どうせできない」と言っていた子が、「やってみる」と言えるようになる。引っ込み思案だった子が、自分から話しかけてくれるようになる。こうした変化の過程に関われることは、この仕事ならではの魅力です。
「人の成長に寄り添いたい」「支援を通して自分も成長したい」「子どもたちの未来を支えたい」と考える方にとって、株式会社アイオライトは安心して挑戦できる環境です。
まごころの家では、経験の有無に関わらず、「お子さまを大切にしたい」「一人ひとりに寄り添いたい」という気持ちを持つ方を歓迎しています。研修制度や先輩スタッフのサポートも充実しており、未経験からでも安心してスタートできます。
お子さまの自己肯定感を育てる仕事は、同時に自分自身の人間性も豊かにしてくれる仕事です。一緒にお子さまたちの未来を支えませんか。
まとめ
自己肯定感は、お子さまが社会で自分らしく、幸せに生きていくための大切な土台です。学力や技能以上に、人生を豊かにする力と言えます。冬という心身ともに揺らぎやすい季節だからこそ、丁寧な関わりと安心できる環境が求められます。
株式会社アイオライトが広島市内4エリアで展開する放課後等デイサービス「まごころの家」では、冬の活動を通してお子さま一人ひとりの「そのままで大丈夫」「あなたは大切な存在だよ」という気持ちを育みながら、支援者自身も成長し続ける支援を行っています。
小さな「できた」を見逃さず、お子さまのペースを尊重し、一人ひとりの良さを認める。こうした日々の積み重ねが、お子さまの確かな自己肯定感を育てていきます。
保護者の方にも、福祉の仕事に関心のある方にも、まごころの家の支援の想いと取り組みが伝わることを願っています。お子さまの自己肯定感について心配されている保護者の方、自己肯定感を育てる支援に興味のある方は、ぜひ一度まごころの家にご相談ください。スタッフ一同、心を込めてお待ちしております。
