はじめに:新しい季節、新しい自分へ
秋も深まり、肌寒さとともに新しい季節を感じる11月。この時期は、これまでの自分を見つめ直し、次の一歩を考える方も多いのではないでしょうか。
「社会に出て働いてみたいけれど、自信がない」「自分のペースでできる仕事を探したい」「一般企業で働くのは難しいけれど、何か社会に貢献したい」――そんな想いを持つ方におすすめなのが、就労継続支援B型事業所です。
就労継続支援B型は、ただ作業をする場所ではありません。一人ひとりのペースに合わせて、働くために必要な社会スキルを身につけ、自信を育て、将来への可能性を広げる場所です。
この記事では、就労継続支援B型の軽作業を通して身につく社会スキルや、日常生活・将来に役立つ力の具体例、そして利用者の成長エピソードをご紹介します。
目次
第1章:就労継続支援B型とは?
「就労継続支援B型」とは、障がいや難病などにより一般企業での就職が難しい方が、自分のペースで働きながら社会参加やスキルアップを目指せる福祉サービスです。
雇用契約を結ばず、利用者の体調や能力に合わせて作業時間・内容を調整できるため、無理なく働くことができます。
就労継続支援B型の基本情報
| 項目 | 内容 |
| 対象 | 18歳以上で一般就労が難しい方(障害者手帳・難病指定のある方など) |
| 契約形態 | 雇用契約なし(工賃支給あり) |
| 主な作業内容 | 軽作業(梱包・清掃・商品検品・内職など)や創作活動 |
| 目的 | 就労訓練・社会参加・生活リズムの安定・自立支援 |
就労継続支援B型の特徴
特徴①:雇用契約がないから、自分のペースで働ける
一般企業では、決められた時間に出勤し、決められた業務をこなす必要があります。しかしB型事業所では、体調や能力に合わせて、無理なく働くことができます。
特徴②:工賃がもらえるから、働く実感が得られる
作業に応じて工賃(賃金)が支払われるため、「働いて報酬を得る」という社会人としての実感を得られます。金額は作業量や事業所によって異なりますが、自分の努力が形になることが、大きなモチベーションになります。
特徴③:将来の就労に向けたステップになる
B型事業所での経験を通じて、スキルや自信をつけ、将来的には一般就労や就労継続支援A型(雇用契約あり)にステップアップすることも可能です。
アイオライトの事業所でも、さまざまな作業を通じて「できることが増える喜び」を日々感じている利用者の方が多くいらっしゃいます。
アイオライトの就労継続支援B型事業所
アイオライトは、広島市内の2か所で就労継続支援B型を運営しています。
- まごころの家倉掛
- まごころの家若草
それぞれの事業所が、地域に根ざした温かい支援を提供しています。
第2章:軽作業を通じて身につく”社会スキル”とは
就労継続支援B型の活動は、単なる作業の練習ではありません。一つひとつの作業の中に、社会で生きていくうえで大切なスキルが自然と身についていきます。
以下では、アイオライトのB型事業所で実際に育まれている「社会スキル」を紹介します。
スキル①:時間を意識する力
毎日の作業では「始業時間」「休憩」「終了時間」など、自分で時計を見て行動する習慣がつきます。
最初はスタッフの声かけで行っていた方も、徐々に「次は何時から作業だな」と自分で動けるようになります。
時間管理が身につく具体例:
- 朝、決まった時間に起きて通所する習慣がつく
- 作業の開始時間に合わせて準備ができるようになる
- 休憩時間を守り、メリハリのある働き方ができる
- 終了時間を意識して、作業を計画的に進められるようになる
➡️ 社会で働くための第一歩は”時間を守る”ことから始まります。
時間管理は、社会人として最も基本的なスキルです。B型事業所での日々の積み重ねが、将来の就労に向けた確かな土台になります。
スキル②:報連相(ほうれんそう)の習慣
作業中に困ったことや失敗があったとき、「報告」「連絡」「相談」をする練習も行っています。
たとえば、商品の袋詰めで「数が合わない」「テープが切れた」など、小さなトラブルを報告することが、職場での信頼につながります。
報連相が身につく具体例:
- 作業で困ったことがあったら、すぐにスタッフに相談する
- 作業が終わったら、完了の報告をする
- 体調が悪いときは、無理せずに伝える
- わからないことは、そのままにせずに質問する
➡️ 自分の気持ちを伝える力が育ち、人との関わり方がスムーズに。
まごころでは、障がいや難病を抱える方々の「働きたい」「日中に活動をしたい」という前向きな気持ちを何より大切にしています。報連相のスキルは、その前向きな気持ちを安心して表現できる力にもなります。
スキル③:協調性とチームワーク
B型事業所では、複数人で協力して作業することが多くあります。一人では難しい作業も、チームで声をかけ合いながら行うことで達成感を得られます。
「一緒にやろう」「ありがとう」といった言葉のやり取りが増えることで、人間関係の幅も広がります。
協調性が身につく具体例:
- 重い荷物を運ぶとき、「手伝ってもらえますか?」と頼める
- 他の利用者が困っていたら、「大丈夫ですか?」と声をかけられる
- グループ作業で、自分の役割を理解して行動できる
- 相手のペースを尊重しながら、一緒に作業できる
➡️ 職場でも必要な”コミュニケーション力”が自然と身につきます。
作業を通じて、集中力、継続力、協調性といった働く上で欠かせない基礎能力を自然に育むことができます。
スキル④:集中力と持続力
軽作業は、コツコツとした集中力が求められます。最初は5分集中するのも難しかった方が、今では1時間以上集中して作業できるようになることもあります。
集中力が身につく具体例:
- 単純作業でも、ミスなく丁寧に取り組める
- 周りの音や動きに気を取られず、作業に向き合える
- 長時間の作業でも、疲れにくくなる
- 目標を立てて、達成するまで続けられる
➡️ 「継続する力」が、将来の就労や日常生活に大きな自信をもたらします。
一つひとつの作業に丁寧に取り組むことで、技術的なスキルはもちろん、責任感や達成感も同時に養われていきます。
スキル⑤:責任感と自己管理能力
納期や品質を意識しながら作業を行うことで、「自分の作業が誰かの役に立っている」という実感を得られます。
清掃・梱包・検品などの作業を通して、自分の役割を理解し、責任を持って行動できるようになります。
責任感が身につく具体例:
- 任された作業を、最後までやり遂げる
- 品質を意識して、丁寧に作業する
- 納期を守るために、計画的に作業を進める
- 自分のミスに気づいたら、素直に報告して改善する
➡️ “任された仕事をやり遂げる力”が、社会人としての基礎になります。
私たちが大切にしているのは、利用者の方々が作業の中で「できた」「上達した」という小さな成功体験を積み重ねることです。この体験の積み重ねが、自信につながり、さらなる能力向上への意欲を生み出します。
第3章:日常生活や将来に役立つスキルの習得例
B型事業所で学べるのは、作業スキルだけではありません。日々の生活に役立つ力も自然と身につき、将来の自立や就労に繋がります。
| 分野 | 習得できるスキル例 |
| 生活スキル | 早寝早起き・身だしなみ・整理整頓・健康管理 |
| コミュニケーション | あいさつ・会話・協調性・感情のコントロール |
| 職業スキル | 作業手順の理解・報連相・責任感・集中力 |
| 社会スキル | 公共マナー・金銭感覚・地域活動への参加意識 |
B型の活動を通じて、「働くリズム」「人との関わり」「社会参加」が自然と身につくのです。
生活スキルの向上
早寝早起きの習慣
毎日決まった時間に通所することで、生活リズムが整います。夜更かしせず、朝スッキリ起きられるようになることで、体調も安定します。
身だしなみへの意識
働く場所に行くという意識が、服装や髪型、清潔感への意識を高めます。「人に見られる」ことを意識することで、自然と身だしなみが整うようになります。
整理整頓の習慣
作業場では、道具や材料を決められた場所に片付けることが求められます。この習慣が、家での整理整頓にもつながります。
健康管理の意識
体調が悪いと作業ができないという経験を通じて、自分の体調を管理する意識が育ちます。「早く寝よう」「栄養のあるものを食べよう」という健康への意識が高まります。
コミュニケーションスキルの向上
あいさつの習慣
毎日の「おはようございます」「お疲れ様でした」から始まり、あいさつの大切さを実感します。あいさつができるようになると、人間関係がスムーズになります。
会話力の向上
作業中の何気ない会話、休憩時間の雑談など、日常的なコミュニケーションを通じて、会話のキャッチボールができるようになります。
感情のコントロール
作業がうまくいかないときのイライラ、失敗したときの落ち込みなど、様々な感情と向き合います。スタッフのサポートを受けながら、感情をコントロールする方法を学びます。
第4章:利用者の成長エピソード
ここで、実際にアイオライトの事業所で働く利用者さんのエピソードを紹介します。
エピソード①:「人と話すのが苦手」から「チームのリーダー」へ
Aさん(30代・男性)は、最初は人との会話が苦手で、黙々と作業するタイプでした。しかし、他の利用者が困っていた時に自然と「手伝いましょうか?」と声をかけるようになり、今ではグループ作業をまとめるリーダー役として活躍しています。
「人と協力して働くって楽しい」と笑顔で話す姿は、周囲にも良い影響を与えています。
成長のポイント:
- 最初は無理に話しかけず、Aさんのペースを尊重した
- 小さな成功体験(作業の完成)を積み重ねることで自信がついた
- 他の利用者との自然な関わりの中で、コミュニケーションの楽しさを実感
- スタッフが適切なタイミングでサポートし、リーダーとしての役割を任せた
訓練は決して一方的なものではありません。利用者一人ひとりのペースや特性に合わせて柔軟に調整し、無理なく着実にステップアップできるよう配慮しています。
エピソード②:「生活リズムが整い、自信がついた」
Bさん(20代・女性)は、以前は昼夜逆転の生活で体調も安定しませんでした。しかし、B型事業所に通うようになってから朝の時間に強くなり、「毎日通えるようになった自分に驚いています」と話します。
最近では作業スピードも上がり、就職を目指す意欲も高まっています。
成長のポイント:
- 最初は週2回の短時間から始め、徐々に日数と時間を増やした
- 朝起きられたことを褒め、小さな成功を積み重ねた
- 生活リズムが整うことで、体調も安定し、作業への集中力が向上
- 「自分にもできる」という自信が、将来への意欲につながった
利用者の方が「今日も来てよかった」「やりがいを感じられた」と思えるような、心に響く支援を心がけています。
エピソード③:「家族も安心できる居場所に」
Cさん(40代・男性)の保護者の方からは、「家で無気力に過ごす日が多かった息子が、今では”今日は〇〇を作ったよ”と楽しそうに話してくれるようになりました」と嬉しい声をいただいています。
B型事業所が本人だけでなく、家族の安心にもつながっています。
成長のポイント:
- 本人の「やりたい」という気持ちを引き出す作業を見つけた
- 仕事内容や頑張ったことが、家族との会話のきっかけに
- 日中の居場所ができることで、家族の心の負担も軽減
- 本人の成長を家族と共有し、一緒に喜び合う関係を築いた
まごころでは、利用者お一人おひとりを大切な「社会の一員」として認識し、それぞれの個性や状況に深く寄り添った支援を行っています。
第5章:11月の就労継続支援B型 最新情報
アイオライトでは、11月も各事業所で新規利用者を募集しています。体調や希望に合わせて、無理なく通所できるスケジュールを提案します。
| サービス内容 | 詳細 |
| 対象 | 障がい・難病をお持ちの18歳以上の方 |
| 主な作業内容 | 梱包・清掃・シール貼り・軽作業など |
| 支援内容 | 作業指導・生活支援・相談支援・就労訓練 |
| 開所時間 | 平日10:00〜15:00(送迎あり) |
| 利用地域 | 広島市内(倉掛・若草) |
※見学・体験利用は随時受付中です。「どんな雰囲気か見てみたい」という方も大歓迎です。
利用開始までの流れ
STEP1:お問い合わせ・見学
まずはお気軽にお問い合わせください。見学の日程を調整し、実際の作業場所や雰囲気を体感していただけます。
STEP2:体験利用
1日または数日間、実際に作業を体験していただきます。「自分にもできそうか」「雰囲気が合うか」を確認できます。
STEP3:受給者証の申請
市区町村の福祉窓口で、障害福祉サービス受給者証の申請を行います。スタッフが手続きのサポートもいたします。
STEP4:利用開始
受給者証が発行される事が決まったら、正式に利用開始です。最初は無理のないペースから始め、徐々に慣れていきましょう。
第6章:スタッフからのメッセージ
「私たちは、作業を通して”できた!”を一緒に見つけるサポーターです。小さな成功体験を重ねることで、皆さんの笑顔が増えていくのを見るのが何よりの喜びです。」
「利用者の方一人ひとりに合わせた支援を大切にしています。無理のないペースで、安心して通える環境を整えています。」
スタッフが大切にしていること:
- 利用者の方の「やりたい」という気持ちを尊重する
- 小さな変化も見逃さず、成長を一緒に喜ぶ
- 失敗しても大丈夫な、安心できる雰囲気づくり
- 一人ひとりの個性や特性を理解し、最適なサポートを提供
働く喜びを実感しながら、確実に知識と能力を向上させる──それが、まごころの就労訓練プログラムの真の価値です。
スタッフも成長できる職場
アイオライトは、利用者の方々だけでなく、スタッフも成長できる職場づくりを大切にしています。
「利用者の方々の成長を間近で見守れることが、この仕事の醍醐味です。『できた!』という笑顔を見るたびに、自分も頑張ろうと思えます」(20代・支援スタッフ)
もし、就労支援の仕事に興味がある方は、ぜひ見学や採用説明会にもお越しください。利用者の方々の成長を支える、やりがいのある仕事です。
第7章:まずは見学・体験から
初めての方でも安心して始められるよう、見学や1日体験を随時行っています。
「どんな作業をしているのか知りたい」「自分にもできるか不安」そんな方も、実際に現場を見てみることで安心できます。
スタッフが丁寧に案内し、疑問や不安にもしっかりお答えします。
見学・体験でわかること:
- 実際の作業内容と作業場の雰囲気
- 利用者の方々の様子
- スタッフの対応やサポート体制
- 通所のスケジュールや送迎の方法
- 自分に合った作業があるか
見学や体験は、利用を決める前の大切なステップです。納得してから始められるよう、何度でもご相談ください。
まとめ:B型事業所は”自分らしく働く”ための第一歩
- 軽作業を通して、時間管理・報連相・集中力・協調性など社会で必要なスキルが身につく
- 日常生活にも役立つ「生活リズム」や「人との関わり方」を学べる
- 利用者の成長は家族の安心にもつながる
- 一人ひとりのペースに合わせた、無理のない支援が受けられる
- 見学・体験は随時受付中、まずは雰囲気を見てみることができる
11月は、気持ちを切り替えて新しいスタートを切るのにぴったりの季節です。あなたもアイオライトの就労継続支援B型で、”自分らしく働く第一歩”を踏み出してみませんか?
アイオライトの理念:
株式会社アイオライトは、「全ての人々の未来を創造し、社会で輝ける環境、社会を造り上げる」という理念を掲げています。
この理念は、利用者の方々一人ひとりが、自分らしく輝ける場所を提供することに表れています。障がいの有無に関わらず、誰もが持つ「社会に貢献したい」「自分らしく輝きたい」という普遍的な願いを大切にしています。
▶︎見学・体験のお申し込みはこちら
株式会社アイオライト 各事業所までお気軽にご連絡ください。
- まごころの家倉掛
- まごころの家若草
(※各事業所の連絡先は公式サイトをご確認ください)
あなたの「働いてみたい」という想いを、アイオライトが全力でサポートします。お気軽にお問い合わせください。
